使い途
Ollama v0.10.0 のリリース情報から判断すると、以下のような状況や目的でこのバージョンが特に役立つと考えられます。
ローカル環境でのAIモデル利用を手軽に始めたいユーザー:
- macOSおよびWindows向けの新しいアプリが提供されたことで、コマンドラインに不慣れなユーザーでもOllamaをインストールし、ローカルでAIモデルを動かすのが非常に簡単になりました。Pythonスクリプトを書かなくても、デスクトップアプリケーションとして手軽に利用開始できます。
特定のモデルのパフォーマンスを重視するユーザー:
gemma3n
モデルのパフォーマンスが2~3倍向上したとありますので、このモデルを頻繁に使用するユーザーにとっては、処理速度の向上が大きなメリットとなります。- 複数のGPUを使用する場合のパフォーマンスも10~30%向上しているため、複数のGPUを持つ環境でより大規模なモデルや複数のモデルを効率的に動かしたい場合に有利です。
開発者や実験者で、AIモデルの機能拡張(ツール呼び出し)を行うユーザー:
- ツール呼び出しに関するバグ修正(
granite3.3
、mistral-nemo
、ツール名の一部による誤動作など)が行われているため、AIモデルに外部ツールと連携させる機能を実装している開発者にとっては、より安定した動作が期待できます。
OpenAI互換APIを利用して画像処理を行うユーザー:
- OllamaのOpenAI互換APIがWebP画像をサポートしたことで、WebP形式の画像を扱うアプリケーションでOllamaをバックエンドとして利用しやすくなりました。
Ollamaの運用・デバッグを行うユーザー:
ollama ps
でコンテキスト長が表示されるようになったことで、現在ロードされているモデルの状態をより詳細に把握できるようになります。ollama show
のエラー報告の修正やollama run
のエラー表示の改善は、モデルの実行や情報取得時のトラブルシューティングに役立ちます。
要するに、より手軽にAIモデルをローカルで動かしたい人、特定のモデル(特にGemma3N)や複数GPU環境でのパフォーマンスを重視する人、AIモデルのツール連携機能を開発している人、そしてWebP画像を扱うアプリケーションでOllamaを利用したい人にとって、Ollama v0.10.0は非常に魅力的なアップデートと言えるでしょう。
モデルの容量と必要なリソースの目安
Ollamaで利用できるモデルの容量(ファイルサイズ)は、モデルの種類と「量子化」の度合いによって大きく異なります。
- 小規模な量子化モデル(例: 3BパラメータのQ4): 約2GB
- 中規模な量子化モデル(例: 7B/8BパラメータのQ4): 4〜5GB
- 大規模な量子化モデル(例: 70BパラメータのQ4): 約40GB
- 超大規模モデル(例: 405Bパラメータ): 200GB以上
これらのファイルサイズに加えて、モデルをロードして実行するためには、さらに多くのRAM(メモリ)やGPUメモリ(VRAM)が必要になります。
RAM(メモリ):
- 最低8GBが必要とされますが、16GB以上が推奨されます。
- 7B/8B程度のモデルで16GB、70Bモデルでは64GB程度のRAMが推奨されています。
GPUメモリ(VRAM):
- GPUがあると高速に動作しますが、GPUがない場合はCPUで実行することも可能です(その分処理は遅くなります)。
- GPUのVRAM容量によって、ロードできるモデルのサイズが変わります。例えば、8GBのVRAMを持つGPUでは、量子化された8B程度のモデルが限界となることが多いです。